四方を海に囲まれ四季の変化に富んだ日本は、春夏秋冬それぞれの季節に収穫された食物の旬の食材を味わい、生活や行事のなかで旬を大切にしてきました。そして米、野菜、魚、豆、海草等を主とした日本食に、小麦文化の卵、肉、乳製品を取り入れ、今や世界一の長寿国・健康寿命国として注目されています。医療の進歩等もありますが、旬の食材を上手に取り入れた食生活が大きな役割を果たしていると言えます。
朝夕の涼風は身体の中から食欲を呼び起こします。夏の疲れた肌や、弱った胃の消化を助けて、ケアしてくれるビタミンを豊富に含んだ野菜、果物、芋類が、秋にはたくさん収穫されます。日本各地で、芋煮会などの地域の行事も楽しまれていますね。また、海の幸としては秋刀魚が秋のたんぱく質を運んできます。
四季を通しての食物は、私たちの健康にとって体力作り、精神の安定・成長など身体のリズムに合わせた大切な働きをしています。日本では四季にわたっていろいろな作物や魚が獲れます。
旬の食材は新鮮です。そして気温に適して成長するので、栄養価が優れて味もよく、価格もハウス物より安価等のメリットがあります。例えば、夏のほうれん草・小松菜と、冬のほうれん草・小松菜のビタミン、鉄の含有量には大きな差があります。
学校給食では、常に市場価格と旬を考慮し、1か月以上先取りしたニュースをキャッチしています。特に野菜の旬は逃さず、不作の時などの代替食材とメニューを計画に入れておきましょう。
学校では、季節と食材の関係を子どもたちに伝えるために“今日の献立”(メモなど)を使うことが多いですね。他には給食室前にある栄養黒板に掲示する、放送委員を通して“今日の給食”をお昼の放送で流してもうなど。学級活動の時間をいただき食育を行う時などは、当日の給食を教材として行いました。
学級担任を通じて保護者への参加も呼びかけ、「魚、野菜、果物の旬の話」をしたこともあります。今日の給食には、この魚の切り身、この野菜を料理したものが入っていて、これは今が旬の魚・野菜であることを話します。クラスに「鈴木さん」がいた時に魚の「スズキ」について話した際には、クラスが盛り上がった記憶があります。
それと同時に春夏秋冬それぞれに収穫される魚・野菜・果物の一覧表を各自に手渡しても良いでしょう。そして自宅での食事に旬の食材が入っているかどうかを、家族で話し合ってくださいと伝えます。これは大きな反響があり、その後は夕食に秋刀魚が増えたり、小松菜のおひたし、大根おろしなど日本型の食事がこぞって復活し、給食時間も「今日は何が旬なの?」という声が上がったなど、喜びの話題が職員会議でも報告されました。
“季節感を食膳へ”それは食材のみならず、ランチルームには美しく色づいた柿の葉、紅葉の一葉を添えることも、日本食ならではの大切な演出であり食育の一貫だと思います。
年間を通して行事の多い学校は、学校給食を行事食として、旬の食材を多様な姿・形で取り入れています。私が取り入れたものを紹介します。
ひな祭りのちらし寿司には酢〆のレンコンを使い、錦糸卵、日本産の海苔を手巻き風に用意します。卒業を祝う会は、巣立ちと絡めて鳥の骨付き焼きやお赤飯で祝います。
卒業を祝う会のバイキングは、学年差に応じた献立を費用換算した上で実施します。卒業生にはマナーも大切な食育の一貫です。栄養面のバランスを考えながら、主食・主菜・副菜・副々菜・デザート・飲み物は、自分の食べきれる量を取り残菜を少なくすること、きちんと後片付けをすることなど、事前に指導しましょう。