第7回 「新人」として新たな気持ちで…

埼玉県さいたま市立田島中学校 栄養教諭・伊藤和義さん

今年4月から市内はじめての中学校配置栄養教諭として採用されております。さいたま市の栄養教諭は初任者研修として一般教諭とほぼ同じ研修を受けます。若い初任の先生方と一緒に年間20日ほどの機関研修をはじめ、校内研修、研究授業、公開授業、師範授業見学、実践研究レポートを行っています。この研修を受けてあらためて思ったことは、栄養教諭は「先生」としての資質を求められていることです。授業の持ち方はもちろんですが、生徒指導や生徒相談、さらには学級経営や最新の情報教育などについても学ぶ機会をいただいたことは、この歳(49歳)になってありがたいことです。その反面、日々の業務に追われ、時々周りの先生方や生徒に「顔!疲れてるよ」と声をかけられ「いかん!こんな状態で作っては、給食がおいしくない」、「授業がなりたたない」、と反省をしている昨今です。

保護者に授業「朝食をしっかり食べよう」

こんなときこそ、栄養職員としての長い経験はもちろん私の「糧」であり出発点だとふりかえります。調理員とのチームワークによる、おいしく安全で豊かな給食づくりという学校栄養士としての仕事の基礎基本を忘れることなく、栄養教諭として、生徒はもちろん家庭もまきこんだ「食育」に取り組みたいと思っています。今年、栄養教諭になってはじめて取り組んだことがあります。昨年までの給食試食会の形を変えて、1年生の特別活動で行った「朝食をしっかり食べよう」という授業を、そのまま試食会へ参加された保護者に行ったことです。

食事内容の改善は保護者の意識改善から

生徒の朝食内容の調査をすると85%以上の生徒は毎日食べては来ているが、その内容は…平均的料理数でカウントすると3品以下という現状でした。生徒はもちろん、親の意識が変わらなければよい朝食にはなりません。ただ朝食を良くしようと言ってもなかなか変わるものではないので、その根拠をデータで示す(成績の比較、脳や体の成長発達の数値、体温変化)ことで、朝食内容を改善する意欲を持ってもらいました。
保護者への授業実施後のアンケートでは、朝食の役割について、授業の内容から「よくわかった」(80%)という回答や、下記のような感想をたくさんいただきました。

  1. 朝食の大切さが理解できた
  2. 朝食にフルーツを取り入れるように頑張りたい
  3. 先生の朝食例がとても参考になった
  4. 工夫して作りたい
  5. 反省することが多かった
  6. 食育授業がわかり易かった
  7. 食育だよりを楽しみしているし情報も役に立つ
  8. 先生から子どもたちに食の大切さを伝えてほしい
  9. 人気のレシピを教えてほしい

健康、感謝、協同をモットーに「食育」を

保護者の求める「食育」のイメージについて92人に聞いたところ、上位5つ(複数回答)は下記のような結果でした。

  1. 栄養教育を行い、健康な食生活をおくることができるようにすること(80人)
  2. いただきます、ごちそうさまの意味を知り、感謝の心を持てるようにすること(53人)
  3. 家族や友だち、先生と楽しい雰囲気の中で会食をすること(46人)
  4. 安全な食材を選択する能力を身に付け実践すること(36人)
  5. 郷土食や伝統的和食料理を継承すること・地場産物を取り入れること(31人)

食育は各地域でいろいろ取り組みが行われていますし、すでに実績を積み上げてきています。その中でも不易である食がつくる「健康」「感謝」「協同」をモットーとして、食の楽しさを生徒たちに座学や体験を通し伝えていきたいと思っています。
(全学栄兵庫県支部長)

12月は島根県松江市立鹿島中学校・岩田緑先生の予定です。

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