第8回 教師一丸で生徒の心に響く食育

島根県松江市立鹿島中学校 栄養教諭・岩田緑さん

私の勤務する鹿島中学校は県都松江市内の北部、日本海に面した自然豊かな町にあります。給食センターでは1中学校、3小学校、3幼稚園の子どもたちのために、計700食の給食を作っています。小中一貫教育にも力を入れている上、幼稚園や地域の食育推進活動団体との連携も密で、12年間の食教育の重要な部分を担っています。

生きた教材作りの給食管理

子どもへの、食育の一番のメッセージである学校給食は献立作成に始まり、衛生管理、物資管理等奥深く、繊細で一瞬のすきも許されないものです。しかしそれは栄養教諭の醍醐味でもあります。これを教材として、魅力的で効率よく活用できる手法は、年間献立計画にあると思います。
テーマ、献立目標、献立のねらい・配慮、指導目標、旬の食材、地場産物使用計画、教科関連献立、国際理解献立、都道府県味めぐり等の必要項目に基づいた計画を、年度当初に決定して周知しておくことが効果的だと実感しています。これを全教職員に提示することで、給食が生きた教材となり、給食時間はもちろん、教科等での活用が計画的に行われるようになりました。

通知表に学校給食の評価欄

学校給食を活用した指導は、毎日の献立に対する6つの指導目標に基づいた内容をカレンダー様式に作成し、月初めに全教職員に説明します。それにより意思統一がなされ、全員が徹底して指導に取り組むことができます。ほとんどの生徒が偏食、少食を克服しているのがわが校の自慢です。通知表には学校給食の評価欄が設けてあり、教育の一環としての位置づけがなされています。
また自己管理能力を育成するため、朝食内容の見直しや朝食作りへの働きかけを、小中一貫教育で取り組んでいます。全人的な自立を促す鹿島中学校区「朝食作りを通した食育のすすめ」では、学年に応じた関わり方をリーフレットにまとめ、保護者にも理解と協力を求めました。

全生徒が朝食作りに挑戦

学級活動で身につけさせたい力として、全員が地場産物を活用したみそ汁“鹿島汁”の実習を行い、家庭でも実践しつつあります。夏休みには、全員が朝食作りコンテストに挑戦。文化祭に展示して、優秀作品は表彰したうえ、献立集を全戸に配布を予定しています。 同時に教員による朝食啓発劇を文化祭で予定し、現在練習に励んでいます。栄養教諭と教師全員が本気になることで、食育に対する意気込みが生徒の心に響いていることを実感しています。

子どもを身近に感じ、成長を実感

栄養職員の時より、教諭となった今はより子どもを近くに感じ、共に成長している実感があります。それまでは給食という物を通して見ていた子どもたちでしたが、視点や発想が大きく変わりました。部活動の副顧問をして、生徒の成長の速さや凄さに感動して涙することもあります。チャンスがあるたび「スポーツと栄養」、「試合前の食事」などの短いコメントやパンフレットを配っています。
一瞬一瞬を子どもは学んでいる…ということを常に忘れず、私も生徒に負けぬよう努力をする姿や正しい日本語、品格ある行動を心がけて、食から生き方を共に考えたいと思っています。
栄養教諭制度は、子どもたちに最も効果的に食教育ができるために創設されました。特に多くの先輩方の熱意とご苦労を忘れてはなりません。次代を担う子どもたちのために、みんなで力を合わせて学び、それぞれの子どもの夢を実現できるように精進していきたいと思います。
(全学栄島根県支部長)

1月は三重県伊勢市立今一色小学校・西山なつ先生の予定です。

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