第14回 栄養教諭としてできる食育の取り組み

沖縄県南城市佐敷知念学校給食センター 栄養教諭・根川文枝さん

私の勤務する南城市は、首里城からみて太陽が昇る東方(あがりかた)と呼ばれる沖縄本島南部に位置し、琉球王国にゆかりの深い清らかなスピリチュアルスポットが多くあります。古き琉球からの自然のパワーをもらおうと巡礼、巡拝の方が多く訪れる地域です。
本市には、3給食センターと1単独調理場があります。私は、小学校3校、中学校2校、幼稚園2園の1,800食を作るセンターに勤務して2年目になります。

栄養教諭について課題が浮き彫り

1年目の昨年は、所属校や受配校に指導計画などの提案を行い依頼のあった学校(3校の全クラス)での授業実践を行いました。保護者へは試食会や講話、親子料理教室の開催や授業参観日に食育の授業を設定し参観してもらう等、栄養教諭のアピールに努める慌ただしくも楽しい日々でした。授業参観や親子料理教室に参加した保護者に、栄養教諭や食育についてアンケート調査を行った結果、以下の実態が明らかになりました。
・栄養教諭を知らない
・栄養教諭は知っていても配置情況がわからない
・食育の授業ははじめてみたが、子どもが生き生きしていた
・食育の授業を計画的に毎年実施してほしい
食育に関してはうれしい意見もありましたが、栄養教諭についてはアピール不足を実感。コーデイネーターとして、地域や家庭を巻き込んだ食育の取り組みをどのようにすればいいか、大きな課題も見えてきました。

教材として意図的に献立作成

今年度は食育の充実のために、最初に、食に関する指導の全体計画を作成。無理のない計画であるか、教科の内容とずれてないか等を教務主任に確認してもらい、その後、全教職員へ提示をしました。
それを生かすための学校給食の献立は、指導を進めるための重要な教材です。栄養バランスがとれた食事であることはもちろん、食文化や行事食、地場産物や旬の食材の活用等、意図的な献立作成を行っていることを伝え、給食時間や関連教科などで活用するよう話しました。

「弁当の日」を家庭の食育の日に

本市では平成20年度より、11月から3月までの月1回(年5回)、幼稚園を含む全学年を対象に「弁当の日」を実施。食育と給食費を考える機会として位置付けて、取り組んでいます。児童生徒、保護者ともに肯定的な意見が多く、今年度も継続の予定です。
「『弁当の日』は、何かお手伝いをしていますか」と質問したところ、幼稚園児や低学年は「ゆで卵の皮をむいた」、「トマトを盛り付けた」など。4年生になると「一人で全部作った」と得意げに見せる子もいます。「弁当の日」は食育の実践力を付ける絶好の機会だと思いました。「子ども自身がすべてを作る弁当の日」をめざし、親子料理教室や給食だよりを通しレシピの紹介などをしていきたいと考えています。

生きる基本として責任は重大

栄養教諭として任用され、前任校を含め4年目になります。食育基本法の前文には「食育は生きる上での基本で知育、徳育、体育の基礎となるべきもの」と位置付けられています。人間が生きる上での基本となるよう、指導する責任の重大さをしっかりと受けとめ、食育の充実を図りたいと思います。

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