第20回 全県で真の食育を実践するために

長野県北安曇郡白馬村学校給食共同調理場 栄養教諭・塩嶋久美子さん

南北に長い長野県は、県境をぐるりと高い山脈が屏風のように囲い、その中をさらに連なる山と川が盆地や渓谷をつくる自然厳しい所です。先人たちは地域の特色を生かし、多様で異なる個性の強い食と暮らしの文化を作ってきました。

40%に迫る地場産物の活用

学校給食は早くから小中ともにほぼ100%の完全給食実施、平均200回以上の年間実施回数は全国一。地場産物活用率も38%を越え、今は40%を目標に、郷土食や行事食をふんだんに取り入れながら豊かな給食づくりに励んでいます。

全県調査で心を一つに

北と南では気候や食文化も大きく異なる広い県内なので、長野県学校保健会栄養教諭・学校栄養職員部会(長野県学校栄養士会)では、会員の心を一つにするべく取り組んだ事業があります。
平成16年、その頃は『食育』という言葉だけが一人歩きし、その言葉に踊らされているような感がありました。そんな焦燥感を払拭しようと、部会内に『食に関する指導委員会』を立ち上げました。全県の小学校5年生、中学校2年生を対象に「生活リズム」「朝食喫食状況」「家庭の食事」「学校給食への期待度」等、食に関する実態調査を実施。全県、地域、各学校の児童生徒の食に関する実態を把握し、子どもたちの食生活の課題を明確にすることにより、学校における食に関する指導の必要性を関係者に説得することができる大きな力を得ました。
それは全県下の会員それぞれが感じたことではないかと思います。子どもたちの実態に即した、真の『食育』を実践するための大切な材料を手に入れたわけですから。

更なる前進のために

その後も調査は3年に一度、これまでに3回実施しています。同じ調査をすることにより、子どもたちの食に関する実態の経年変容も確認できるようになりました。
朝食欠食や孤食の減少、家庭での摂取不足の食品の改善、家庭での手伝いの増加、サプリメント利用の減少、給食を楽しみにする子どもの増加、学級担任の食育認知度の増加等々…学校における食育の成果とともに、未解決課題や新たな課題も明らかになってきました。

調査結果は保護者・地域にも還元

これまでにも、調査の結果を活用して食に関する指導を進めてきましたが、新しい課題解決のために今後も学級担任や養護教諭等の学校関係者との連携を図りながら、積極的に食に関する指導に取り組んでいきたいと考えます。
さらに保護者や地域の方々にも子どもたちの実態を知らせ、ともに協力しあって、郷土の未来を担う子どもたちが、ふるさとに愛着を持って健やかに成長できるよう力を尽くしていきたいと思います。

ページの上へ