第33回 食育の中心は学校給食の時間の実物を使った指導の繰り返し

東京都練馬区立八坂中学校 栄養教諭・飯島敬子

「安全で栄養のバランスのとれた美味しい給食」が、学校の食育推進の重要な鍵であることを強く感じています。食の授業の部分が先行してしまって、給食は食べるだけの給食になっていないか。給食の時間と授業をうまく組み合わせて、どうすれば給食を教材として取り上げてもらえるか。先生方には、毎日の献立を使って、こういう効果があるからこういう指導をしてほしいと説明し、食育を推進していくために学校給食は大事な部分であることを理解していただくよう努力しています。毎日の給食が生きた教材であることに気付いてもらうことが、学校における食育の第一歩であると思います。

毎食が食育の「モデル食」

そのためには、献立作成において、本当にお手本となる給食献立をプロとして作っていかなければなりません。調理員の方にも理解していただき、献立の意図に合わせた調理を調理員さんと協力して提供しています。毎食、毎食がモデル食であり、望ましい食事であること、美味しい給食を作ることで食育は可能になるのだと思います。

地場産物は使うだけではなく教育に活かす

地場産物の活用に当たっては、教科や食育につなげる視点を持ち、学校全体で取り組んでいます。
例えば1年生は、農業体験学習で畑を耕し小松菜の種をまき、地場の豚肉ブランド・トウキョウXの「風汰」(生徒達が名付けた愛称)とふれ合い、その後の給食で食べるという体験をします。
この体験を道徳の授業「命をいただく」につなげることで、日常の生活の中で自分たちが食べていたものは、かつて生命があったことを意識するようになり、「食べ物を大切にいただく」気持ちが育ってきました。
教室では、農業体験学習でお世話になった農家の方をご招待して、一緒に小松菜や風汰の給食を食べました。みんなで大切に配り、感謝していただきました。給食の時間、子ども達はみんな、手を合わせて「いただきます」「ごちそうさまでした」をしていたのが印象的でした。給食の時間や授業の様子、生徒のワークシート等は、給食だよりで紹介し、学校で行っている食育を家庭に伝え連携することも大切にしています。
生きた教材として確実に活用できる給食献立を作り、給食を教科とつなぐことができれば、生徒の心に残っていくと思います。

次世代の健康な大人を育てるために

子ども達はあと何年かで親になります。次世代の健康な大人を育てていくために、学校においては、先生方と連携して系統性のある食に関する指導を実践しなければなりません。また家庭との連携においては、食の改善のみならず食を通して生活習慣の改善につなげる取組をしていきたいと思います。

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