第39回 子ども達の未来を信じて

神奈川県横浜市立上寺尾小学校 栄養教諭・松本清江

わが家には、毎年、夫の教え子が大勢で訪ねて来てくれます。当時、小学4年生だった子どもたちも40歳をこえ、そろそろお腹や腰回りに貫録がついてきました。話題も、部活や受験の話から結婚・子育てと変り、この頃は健康診断やメタボの話も出るようになりました。

30年後にも影響する学校給食

自分の作った献立を食べて育った子どもたちは、成人してどんな大人になっているのかしら…。幸せなことに私は、その成長過程を毎年観察する機会に恵まれてきたのです。
初任校の卒業生である彼らは私の教え子でもあります。米飯給食が登場し始めた頃の彼らには、やはり「カレーライス」と「あげパン」が母校の味のようです。卒業から30年以上経っても話題に上り、懐かしがられる給食。6年間食べ続ける学校給食の影響の大きさを改めて感じています。

中学校での食育が課題

私の勤務する横浜市では中学校給食が実施されておらず、栄養教諭・学校栄養職員の配置もありません。中学生の昼食は家庭からの弁当か、学校で購入する仕出し弁当などです。日々の給食を教材としてきた指導が、小学校の卒業とともに途絶えてしまうことはとても残念なことです。とはいえ、新教育課程のもと、どの中学校でも食育全体計画は作成されており、食育の推進がうたわれています。小中一貫カリキュラムの中で、どうすれば食育が進められるのかが大きな課題です。

小学校を核にネットワーク

横浜市では栄養教諭が配置されている小学校を核として、小中一貫教育ブロックごとにネットワークを作り、ネットワーク内の小学校の学校栄養職員とも連携して、中学校での食育に取組んでいます。全市で57のネットワークが構築され、ネットワーク内の学校で一緒に学校保健委員会を開催したり、食育担当者会を立ち上げ「たより」を発行したり、家庭科の授業や調理実習のサポートに入ったりと、試行錯誤を重ねながらも様々な取組が進められています。

今の頑張りが30年後につながる

栄養教諭となって校内での業務が広がり仕事量も増える中で、中学校2校、小学校4校のネットワークで食育を推進することは大きな負担でもあります。しかし私たちの今の頑張りが、子どもたちの30年後の、生き生きとした健康な人生につながることを信じて、一歩ずつ歩みを進めていきたいと思っています。

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