第41回 私が大事にしてきたこと

岐阜県土岐市学校給食センター 栄養教諭・遠山致得子

「こんにちは。今日の給食はどう?」と教室をのぞくと、「今日の〇○おいしいよー」「私、ピーマン大好き」など、子どもたちの笑顔と元気な声が返ってきます。この子どもたちの笑顔と元気な声がうれしくて、30年以上も学校給食に携わってくることができた気がしています。

献立を絵にして色を塗る

私は平成5年から11年の7年間、多治見市の学校給食でお世話になり、そこで献立へのこだわりを教えていただきました。「自分の考えた献立を絵にして色を塗ってみなさい」とよく指導されました。今思えば私の献立の基礎基本は、多治見市で培われたところが大きいです。 栄養価のバランスはもちろんですが、一食の食事としてとらえたときの量や味のバランス、色彩、子どもが見たときにおいしそうと思えるかなど。こだわることが大切です。

給食が「生きた教材」となる

多治見市でもバイキング給食が盛んに行われ、40品近い料理を作っていました。6月は「かみかみバイキング」、9月は「お月見バイキング」というように季節に合わせたものや、2年生国語「スイミー」の学習時期の「お魚バイキング」、じゃがいもの収穫時期の「じゃがいもバイキング」など、その時々にテーマを設け、事前学習と事後学習を合わせて行っていました。 学校給食は「生きた教材」といわれます。バイキング給食はまさに「生きた教材」となる①教科の学習内容に結びつけた給食、②学校行事と関連付けた給食、③自己管理能力を養う給食、というポイントを得た内容でした。

「日本の食文化」にこだわり

現在は、土岐市学校給食センターで約6,000食の給食を提供しています。大量調理ではありますが、できるだけ「素材の味を生かした給食作り」を、そして「日本の食文化」を伝えていきたいと考えています。 それはある年の2月3日、給食時間の訪問がきっかけでした。献立は「麦ごはん いわしの丸干し 高野豆腐の卵とじ けんちん汁 節分豆」です。小学校3年生の子がいわしの丸干しを指して、「家のおばあちゃんは買ってこない」と言ったのです。いささかショックでした。お母さんではなくておばあちゃんだったからです。「ああ、もう、家庭の食事では日本の食文化を伝えていけないのか」と思いました。それ以来、日本の食文化にはこだわりたいと考えています。

広がれ、学校給食の輪!

岐阜県はちょうど日本の真ん中に位置し、周りを山々に囲まれた自然豊かな県です。私たち岐阜県学校栄養士会には、現在182名の会員がいます。平成23年、全国学校栄養士会の50周年と同時に、岐阜県学校栄養士会(前:岐阜県学校栄養士協議会岐阜県支部)も50周年を迎えました。その機会に岐阜県の学校給食を振り返る、「岐阜県の学校給食あゆみ展」を開催しました。 準備の過程で資料を調べていくうちに、子どもたちのために果たしてきた学校給食のことをもっと多くの人に知ってもらい、「食」の大切さについて考えてほしい、と思いました。

私の願い

私が学校給食に関わる時間も残り少なくなってきました。 今の若い栄養教諭・学校栄養職員に願うことは、献立にはとことんこだわってほしいということです。そして、子どもが「おいしそう!」と思える給食、「おいしい!」と味わってくれる給食を作っていってほしいものです。それを伝えるために、あともう少し、学校給食に携わっていきたいと思っています。

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