第47回「特別支援学校の子どもたちと出会って」

福岡県立小郡特別支援学校 栄養教諭・平野典子

学校栄養士(栄養教諭)として卒業まで1年余りとなり、これまでを振り返る最近です。昭和52年、最初の勤務校も養護学校でした。寄宿舎にある給食室で調理した給食を、道を隔てた向こう側にある学校まで、リヤカーに積んで保護者の方に運んでもらうという驚きの方式でした。私の机は給食室の一角にあり、学校に出向く余裕のない毎日で三食分の献立を考えるのが精一杯。そんな中でも毎月の給食だよりだけは欠かさず作成し、当時は鉄筆で原稿を書き、謄写版で1枚1枚印刷していたことが懐かしく思い出されます。

子どもたちを笑顔で迎える毎日

その後は給食センター勤務が長く、再び特別支援学校に赴任して、子どもたちと身近に接することの出来る楽しさにワクワクしました。毎日、配膳室で子どもたちを出迎えることが日課です。ここではほとんどの児童生徒と顔を会わせることが出来ます。皆が給食当番だからです。その日の子どもたちの様子がよくわかります。給食が待ちどおしい子、ちょっと心配そうな子、誰よりも早く来ておかずを確かめる子。
4月には何も出来なかったけれど2学期にはお盆1枚を持っていけるようになる小学部1年生…感動です。特別支援学校の児童生徒たちにとって、給食の時間がとても大事な時間であること、そしてそれが毎日あるということに責任の重さをかみしめています。

学校給食を教材に

給食週間に、「給食ベスト5」の投票を行いました。提示された10種の献立から好きな献立の番号を一つだけ書き、投票箱に投票します。自分で選ぶこと、投票することなど児童生徒の実態に応じて指導に生かしてもらえたらうれしいと思います。
巡回給食では、校長・副校長・教頭・栄養教諭が各学級で児童生徒と一緒に食べます。楽しく会食することを学んでほしいものです。学期1回の中学部バイキング給食では、複数の中から選んだり、食べられる量をよそったりするなど、楽しさの中にも一人一人ができることが増えたらいいなと思います。
毎日の献立が、子どもたちの自立のための何らかの教材となれば、こんなにうれしいことはありません。毎日ある給食だからこそできるのだと思います。

笑顔で迎えたいラストスパート

今年度から、別の特別支援学校へ本校から給食を配送するという親子給食方式を実施しています。時間をずらしての調理作業や給食運営には、課題も多くあります。でも両校の子どもたちの思い出に残る給食が提供できるように、ラストスパートを笑顔で締めくくりたいと願っています。

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