第55回 「おいしい給食の基本は」

千葉県柏市立田中中学校 上席専門員・二木由規子

職員室で家庭科の先生と授業の打ち合わせをしていると、他の先生から「今日の里芋の煮物、おいしかったですね」との声。栄養士としてホッとするひと時です。今ではこのように、給食の話題や指導について何でも先生方と話し合うことができるようになりましたが…。

残菜の差に気付いて

初任の頃は、給食が先生方の話題にあがると、要望や不満(?)を言われているように感じ憂鬱でした。学校にとっても、初めての栄養士の採用だったのでどう接すればよいかわからず、また栄養士に対する期待感もあり、給食の感想を伝えてくれていたのだと思います。
私自身も先生方や子ども達と、どう関わったらよいか模索する毎日でした。さらに2校を兼務していたこともあり、市の標準献立に沿って日々の食材発注に追われていました。でも同じ献立で実施しても明らかに、2校の食べ残しが違うことに気づき、それが食べ手が違うだけの要因ではないことが少しずつわかってきました。そこで少しでも食べ残しを減らし、「子ども達が楽しみにしてくれる、おいしい給食を作ろう」と思うようになりました。

調理室で得た多くの学び

毎日調理室に入り、調理員さんと同じように調理作業をすることから始めました。調理員さんは皆ベテラン揃いで、毎日の給食作りから学ぶ大量調理の技術やコツは、一つひとつが勉強になりました。献立のねらいや私の給食に対する思いを調理員さん伝えることで、給食室とのコミュニケーションもとれるようになっていきました。
当時は直営方式のため調理員はベテラン、中堅とメンバー構成がされていました。学校を異動しても、毎日、調理員さんに支えられながら給食作りをしていたように思います。そしてそこから給食は一人ではできないこと、人間関係が何より大切だということも学びました。

給食管理ができてこその食育

今は民間委託が増え、基本的には栄養士が直接調理員個々と関わることはできませんが、人と人とのコミュニケーションをとることに変わりはありません。私はいつも、調理員さんと共に「おいしい給食作り」を目標にして、地場産の食材を使った手作りの給食を心がけてきました。その経験があったからこそ、段々と自分が給食室を引っ張っていく立場になれたのだと思います。
積極的に調理室に入り、実践を踏まえることで、調理方法や衛生管理などのポイントを押さえて指導ができるようになると思います。調理員と共に毎日愛情を込めて調理をし、「おいしかった!」と笑顔が返ってくることを願い、子どもたちに「生きた教材」である給食を提供していきたいと思います。給食管理ができてこそ、食育につながるものと信じています。

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