第56回「担任と連携して身につく食育の実践を」

宮崎県門川町立門川小学校 栄養教諭・宮本元子

本校における食育授業は、食育年間指導計画に基づいて行われ、栄養教諭は年間130時間~150時間の授業に関わります。
栄養教諭「学活、いつにしますか?」、担任「参観日でいいですか!」。栄養教諭「家庭科いつにしますか?」、担任「オープンスクールでいいですか!」。
担任から「食育の授業は楽しい、一番勉強になっているのは自分だと思います」と言われる今、これこそが一番の食育推進の決め手ではないかと考えます。

栄養教諭と担任は役割分担で連携できる

どのように授業に関わればよいのか、悩んでいる栄養教諭も多く、専門性を発揮できないのはとても残念なことです。
栄養教諭は、健康に関する国民的課題を把握しており、児童生徒がどのような食の力をつけなければならないか理解しています。しかし児童生徒の家庭環境や性格まで把握し、継続した指導を行うことは難しいでしょう。一方担任は、毎日授業を行い教えることのプロですが、食育のことだけ考えているわけにはいきません。栄養教諭と担任が連携してこそ意図的・継続的指導が行えるのです。

初めは日々が手探りの授業

私が本格的に授業に関わり始めたのは平成14年、学校栄養職員が非常勤講師として単独で授業ができるようになってからです。そのことが校長から紹介された職朝の直後、6年担任からオファーがありました。「どこでですか?」と聞くと「家庭科の食物領域全部です。来週から始まります」。題材全体を自分が主体で考えたことがなかった私としては戸惑いました。でもやるしかありません。
教科書を読みこんで、自分なりに8時間の指導計画を立て、授業に臨みました。私が質問すると、子どもたちが何て答えたらいいのという顔をします。担任が質問を言い換えると理解し発表します。どのように発問すればよいか勉強できた1年間でした。この頃はまだ、栄養教諭と担任の役割について理解していませんでした。

モデル事業で得たたくさんの学び

平成19年度、栄養教諭として採用され、栄養教諭を中核として行う「心と体を豊かにする食育推進モデル事業」に取り組みました。年間100時間以上、毎回、指導案を書き、校長、教頭の指導を仰ぎました。その中で気付いたことは、児童生徒に考えさせる授業を行うことの大切さです。
同時に、生きた教材として給食をどのように活用するかということについても研究しました。給食の一口メモは、食育の6つの目標を達成するために、今日の給食を通して児童生徒に気付いてほしいことを書きます。食育便りは、学校で取り組んでいる授業や給食指導で効果のあった取り組みについて書き、保護者への啓発を行っています。このモデル事業を通して食育推進の在り方を学ぶことができました。

教えたいことは教えない

私が大切にする授業のポイントは「しゃべりすぎない」、「一番教えたいことは教えない」ことです。教えたいことに、児童はどうしたら気付いてくれるのか……そのための教材作りに時間をかけます。2年生学級活動「元気なウンコ大作戦」で、元気なウンコを出すために必要な食物繊維の多い食物の教え方を例に説明します。
「植物・生えているものに多い」というヒントから、キャベツと肉で食物繊維が多いのはどちらか考えさせます。すぐにキャベツという答えが導き出せます。次のヒント「そのままの方が多い」から、みかんとみかんジュースで食物繊維が多いのはどちらか考えさせます。すぐにみかんという答えが返ってきます。
今度はグループ活動で、食品カードの中から食物繊維の多いものを見つけさせます。皆で、ああでもない、こうでもないと考え、解答と解説でしっかり理解できるようになります。給食時間には、食物繊維の多い食品を確認します。その後、頑張りカードで、家庭での取り組みを促します。
T・Tで行う食育授業は本当に楽しく、ワクワクします。同じ内容でも、児童の反応や担任とのやりとりが違ってくるので毎回が楽しみです。

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