第59回「今、子どもの食に携わる幸せ」

富山県富山市立堀川小学校 栄養教諭・飯野恭子先生

「今日、豆たろう、来る?」子どもたちが聞きます。子どもたちが待っている豆たろうは、フェルトで作った豆のキャラクター人形です。豆類に親しみをもち残さず食べてほしいと考え、豆料理が給食に出る日は豆たろうと一緒に学級を訪問し、豆の種類や効用などを話しています。
豆たろうの訪問を心待ちにし、元気いっぱいに豆たろうを歓迎してくれるパワーに私が元気をもらい励まされ、ふれあう楽しさや幸せを感じています。「今日はどんな話をしようかな」と、反応を予想しながら考えるのは楽しみであり幸せなひとときです。

健康への意欲につなげる工夫

給食や食べ物のひみつの一端を知ることから、子どもたちなりのさらなる探求心や健康な体づくりへの意欲、食べ物を大切にいただく心が培われるものと考えています。栄養教諭として、栄養管理だけでなく、子どもたちの食に対する思いや願いを受けとめ、一人ひとりの子どものくらしを大切にした食の指導を心がけていきたいと思っています。

大切に進めてきた食の指導

食育の成果が認められ、食育という言葉が社会全体に広がりを見せる中、学校でも子どもたちの食に関する指導の場が増えています。
このことは、子どもたちの前に立って指導することが叶わなかった長い年月の中で、学校での研修組織に入るために研鑚を積み、実績を認めてもらえるように各学校での働きかけをしてこられた諸先輩方の努力の積み重ねや働きかけがあってこそのものです。私自身も「子どもたちのために…」とい思いを温め、一歩ずつ食の指導を進めてきました。

責任と共に楽しめる日々を

制度が整い、子どもたちの前に立つことが求められるようになった今、30年以上も前に初めて授業をした時の様々な準備と、重い緊張感だけは鮮明に心に残っています。授業の失敗が全ての栄養職員の指導の場を遠ざけるのではという責任と重圧がありました。
現在は、栄養教諭という立場で子どもの中に入るチャンスはいろんなところにある夢のような状態です。子どもたちといっしょに活動できることが増えて日常的になると、そのことを楽しめるようにもなりました。
限りない可能性にワクワクしたり、旺盛な探求心に後押しされながら、子どもたちの食に携わることの幸せを感じています。

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