• ホーム
  • 栄養士コラム
  • 第61回「地産地消学校給食等メニューコンテスト文部科学大臣賞を受賞して」

第61回「地産地消学校給食等メニューコンテスト文部科学大臣賞を受賞して」

秋田県五城目町立五城目第一中学校 主任学校栄養士・吉原朋子

平成26年度は忙しい年となりました。これまで表彰などの華々しい事とは、とんと縁の無い私でしたので、まずは応募の準備に翻弄され、次に受賞後の忙しさにとまどっている次第です。しかしながら、定年まであと3年、断捨離ではないけれど、これまでの仕事の総決算の時期に来ていることも確かで、その意味ではいろんなことを考えさせられた受賞となりました。

数字のテクニックではない献立作り

なぜ栄養士になったのか?地産地消って何?あるべき資質とは?―質問を受けるたびに「?」。自分自身、何も深く考えもしないで突き進んできたように思えました。
今ここまで来て強く思ったのは、栄養士という仕事は、家でご飯を作るように誰にでもできそうな仕事です。私たちも大学で栄養素や病態、調理原理等、ほぼ机上での数字合わせのテクニックは学びました。でも実際はどうでしょうか? 献立を立ててそれで終わりではなく、問題はどんな料理が、相手の目の前に出るのかというシビアな現実です。

"本物の食事"には教科書がない

平成17年に食育基本法が制定され学校給食は、食育に大きく舵を切りました。そこで「生きた教材」と文部科学省が言う学校給食の食事の内容とは、これでいいのだろうか?本当に教材になれるのだろうか?栄養を摂取させるのが一義目的であった時代に終わりを告げ、本当の本物の食事作りをしなければ「生きた教材」とは言えないのでは、との思いでした。
ところが、本物の食事なんて誰も知らないのです。何が本当で、何が本当でないのかなんて、きっとその人その人で違っているのです。だからこそ、専門職である栄養士がフラッグシップをとらなければならないのです。

自信なかったメニューが認められて

自分なりのスタンダートとして、冷食やレトルトはできるだけ使用せずに、どこの家庭でも簡単に作ることができ、こんな食事ならみんなが一生健康に暮らせそうな内容であること…食材は地場産物をできるだけ活用してやってみることにしています。
何を隠そう、献立にはまったく自信がありません。職員も生徒もたぶん、本当のことは言いづらいでしょう。だから中身だけでもきちんとした信頼のおける食材を選びたいと考えていました。
そんな思いで作ってきた給食が、思いがけず認められました。しかも自信のあまりないメニューのコンテストです。このコンテストは継続的に使用している献立が条件であり、お祭り的メニューコンテストでないところが気に入っており、ちょっと自信が付きました。

食歴の影響が大きい食の感覚

普段、感覚的にメニューの組み合わせを行うことが多く、メニュー合わせや内容は、千差万別です。その能力は、どこから来るのでしょうか?それは、その人が食べることがどれだけ好きで、どんな食歴を辿ってきたかに因るところが大きいと思います。
私には、何でも手作りをして、美味しいものをたっぷりと与えてくれた母がいました。また、周りには食べることが大好きな仲間がたくさんいます。たぶんそのことが、私が栄養士として授かった一番の資質であると、この場を借りて、係わってくださった全ての方々にお礼申し上げたい気持ちでいっぱいです。

ページの上へ