第62回「食べ物から学ぶ『ふるさと学習』」

和歌山県新宮市立神倉小学校 栄養教諭・真砂美紀

秦の始皇帝の時代の「徐福」が渡来したといわれる場所は日本各地にありますが、ここ和歌山県新宮市もその一つです。不老不死の仙薬を求めて「蓬莱山」を訪れ、その後、徐福の一行は気候温暖、風光明媚で、土地の人々の温かい友情に触れ、この地を永住の地として移り住み、農耕、漁法、捕鯨、紙漉きなどの技術を伝えたといわれています。その徐福の墓所が「徐福公園」として整備されています。

給食の地元食材から学習を展開

近年、自分たちの郷土を知ろう、大切にしようと「ふるさと学習」が取り入れられています。その中の一つとして「郷土の食べ物を知ろう」という時間を設けてもらいました。
給食の食材には、地元の食材をなるべく使っていることを知らせて、公設市場の方から「地元の食材は新鮮で、作り手の顔が見えて安心で、おいしいよ」とお話を聞きます。 
 「町たんけん」の時にも、給食食材を納入してくれているお店の人にインタビューします。
和歌山県からの、特産の梅、もも、柿、みかんの無償提供もあり、子供たちは和歌山県の果物の理解を深めることができます。

食べた経験少ない「めはりずし」

その中でも子供たちに人気の授業は、自分たちで作って味わうことができる「梅ジュース」と「めはりずし」です。
めはりずしは、高菜の葉を周りからかきとって、塩漬けにした緑色のきれいな漬物で、炊き立てのごはんを包んだ大きなおにぎりです。ご飯の中に鰹節を入れたり高菜の漬物の茎をきざんで入れたりします。由来は大きなおにぎりなので、大きく口を開ける時に目も大きくみはるから、目を見張るほどおいしいから、とも言われ、山仕事の弁当に重宝がられました。
「みなさん、めはりずし知ってますか?」。「はーい!」「握手したよ!」…元気よく返事が返ってきました。「じゃあ、食べたことある人!」。元気よく子供たちの手が挙がると思いきや…97人の2年生、どのクラスでも4、5人の手が挙がっただけでした。

知っていたのは「めはりさん」

子供たちが知っていたのは、ゆるキャラの「めはりさん」でした。「『めはり』の勉強して本当によかったです。ふるさとを知ることになったことでしょう。家の人たちと作った子供もいました」と後で担任から報告がありました。「先生が子供の頃はね」と、孫のような子供たちに昔話をしていかなくてはと思う毎日です。

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