第66回「日々の食教育が将来を築く一歩」

長野県駒ヶ根市赤穂学校給食センター 栄養教諭・埋橋惠美

長野県は南北に広く、地域によっては気候も風習も言葉すら異なります。平成の大合併で数は減りましたが、それでも市町村の数は77あります。平成22年に平均寿命が男女ともに全国1位になり、世界でもトップレベルの長寿県になりました。現在は「信州ACEプロジェクト」を立ち上げ、県民一丸となって健康長寿日本一を目指しています。

調査から見えた課題は"朝食"

長野県学校保健会栄養教諭・学校栄養職員部会では、長野県内全小中学校の小5、中2年を対象に平成16年度から3年に一度、食に関する実態調査を行い、生活リズムや朝食、家庭での食生活の状況などを調査しています。
前回調査を25年に実施し分析を行った結果、中学校に入るとそれまでキチンと朝食を食べていた児童が朝食を食べなくなる割合が増える、朝食に野菜を摂取する割合が少ない、ひとりや子どもだけの食事は食事のバランスが悪くなる傾向にある、などの課題が上がりました。

解決のため3つの重点目標

この課題を解決し、全会員が同じ目標に向かって食育を推進していくために、次の3つの重点課題をまとめました。
1.朝食欠食の習慣化を防止するために、生活リズムが変化する小学生から中学生になる時期に「朝食摂取の重要性」を確認し、定着を図る。
2.簡単に作ることが出来る朝食の副菜メニューの紹介や常備菜の工夫等、さらに付帯的な方法を示しながら、朝食内容の充実と副菜としての野菜摂取の増加を目指す。
3.ひとりや子どもだけの食事よりも、家族そろって食事を食べた方が食事のバランスも良いこと等から、「家族や友達と一緒に楽しく食事をする(共食)」について啓発していく。

方向を合わせつつ独創性も

3つの課題が明らかになり、課題解決に向けた指導内容を共有することができたことで、長野県の学校栄養士が進むべき道標が明確になりました。
これからは各自が自分なりのオリジナリティを加え、関係者との連携を図りながら食教育を実践していきたいと考えています。

目の前の子ども達にしっかり食教育を

平成23年東日本大震災が発生し、私は遠い長野で何ができるかを考えていました。そして、目の前にいるこの子ども達にしっかり食教育をし、心も体も健康な人に育てる一助となることで、他力本願かもしれませんが、この子達が将来の日本をよい国にしてくれる人になるのでないか、そのことで困っている人が少しでも減るのではないかと考えました。
今、私が子ども達のために出来ることは何かを考え、出来ることから一歩一歩確実に、日々の給食管理や食教育を行っていきたいと思います。

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