第69回「豊かな日本の"食"を伝えたい」

埼玉県鴻巣市立鴻巣南中学校 栄養教諭・千葉久美子

「ごはんを食べるということは 生きることで 命なんですよ」…食生活ジャーナリスト岸朝子さんの言葉です。
現代の日本は、 食べたいときに食べたいものが手に入り、飽食の時代と言われています。一方では、人間の大切な「食」に関して、時間や労力の短縮からインスタント化が進み、便利な時代になってきました。
そのため料理をする家庭が減り、食生活の大部分を外食や中食、ファストフードなどの外部の食産業に頼る家族が増加しています。

給食月間に地場産物を活用した郷土料理

昔から食べ親しんできた、その土地土地にあった伝統料理や食文化は、いつの間にか忘れがちになってきています。このままでは、食べることは便利な方へ、楽な方へといってしまいます。
だからわたしたちは、昔ながらの食生活を忘れることなく、次世代の子どもたちに伝え残すことが大切だと考えます。学校における食育の生きた教材である学校給食を通して、伝統行事にちなんだ行事食や地域の郷土料理など、日本の伝統的な食文化を盛り込んだ献立を取り入れ、子どもたちに伝えていこうと思います。
そこで「彩の国ふるさと学校給食月間」の11月は、地場産の食材を活用し、埼玉県の郷土料理「ねぎぬた」と「呉汁」を献立に取り入れました。

多くの「命」と「がんばり」を知らせる

現代の子どもたちの「食」を見つめると、毎日、食べ物を食べられることが当たり前のようになっています。そのため食事や食材への心を込めた感謝ができなかったり、給食を残してしまったりする子どもたちが見られます。
食事は多くの「命」に支えられていると同時に、多くの人々の「がんばり」にも支えられています。食事ができるまでに関わった生産者をはじめ、調理をする人、多くの人々の苦労や努力を忘れないことです。「食」に携わる人たちの思いや労力と共に、食べ物への感謝の気持ちを伝えていきたいと思います。

生産者や調理員の思い伝えた「食の集会」

そのための取り組みとして本校では、昨年の生徒集会で、給食委員会が中心となり「食の集会」を行いました。給食ができるまでに関わっている生産者の方や給食センターの調理員さんにインタビューを行い、日頃の思いを生徒に伝え、「食」について考え直す良い機会となりました。
これからも、学校給食の献立や食に関する指導を通して、日本の食の豊かさや食べ物への感謝、食べることの大切さを伝えていきたいと思います。

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