第72回「食育~はじめの一歩」

鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校 栄養教諭・西内恵子

本校は平成27年度4月、県立の中高一貫の男子校として開校したばかりの新設校です。また全寮制という点においても、県内では他に例がありません。生徒は寮の食堂で食事を摂りますが、栄養教諭はそのうちの授業日の昼食を学校給食として、衛生管理と食に関する指導を行っています。しかしながら、日々の寮食との調整も欠かせません。

安心安全な食事の提供

どの学校においても、食に関する指導を行うために、安心安全な学校給食の提供が欠かせないものです。これまでも衛生管理については十分に配慮をしてきたつもりです。本校の生徒にとって寮で提供される3食は、生徒の生命線とも言えるものでなおさら重要です。安心安全な食事を提供するために厳しい衛生管理が求められ、より一層の配慮を必要とすることを痛感しながら緊張感のある毎日を過ごしています。

地産地消の取組

本校がある肝付町は、豊かな農産物、海産物に恵まれた食材の宝庫です。四季折々の旬の食材を活用するべく、地元肝付町と連携した供給体制作りを進め、開校当初から食材の納入が始まっています。納入に当たって、生産者や窓口となる農業振興センター等と定例会を行い、納入された食材の品質や生育状況等について打ち合わせや情報交換を行うとともに、圃場見学等もさせていただき生産者との交流を深めています。さらに今後は、生産者と生徒の交流も計画していく予定です。

学校給食を核に一斉指導

全寮制という特色を生かし、規則正しい生活習慣の確立とともに食育の取組が行われていますが、やはり核になるのは学校給食です。中学生は給食当番による給食の準備をしています。高校生は学校給食ではないのですが、生徒が当番制で食事の準備をしています。中学生、高校生ともに、仲間と協力し合う様子が見られます。
給食の時間は食堂で一同に会し食事をするので、栄養教諭によるミニ指導を一斉に行うことができます。短い時間ですが、地域の食材のこと、栄養やマナーのことを話す事ができるのも、学校給食の時間だからこそと感じています。

中高6年間の重みとチャンス

新設校での食育はまだまだ始まったばかりです。ただ、中学生は6年間、高校生は3年間をこの寮ですごし、食事をします。まさにこの期間を預かる栄養教諭としては、責任の重さを感じつつ、今こそ食育のチャンスでもあると捉えています。
卒業してからも、この学校での食事が彼らの食と健康のベースになることを肝に銘じ、始まったばかりの食育の一歩を少しずつ前へ進めていきたいと思います。

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