第85回「家庭でのみそ汁づくり、夏休みの課題に」

愛媛県西条市立神拝小学校 栄養教諭・武方美由紀

二学期が始まってすぐに5年生のみそ作りが始まります。家庭科室で米と麦を蒸して麹菌をつけ、麹を作るところからの作業なので室温の高い9月に仕込みます。翌日には麹の花が咲き、甘酒のような香りが家庭科室を包みます。児童は麹返しをしながら初めて嗅ぐ麹の香りや麹の花を観察し、3日目には茹でた大豆と麹、塩を混ぜて樽詰めをして、3か月間みその熟成を待ちます。

早寝・早起き・朝みそ汁

ごはんとみそ汁は、日本人の朝食の基本です。しかし、食生活調査をしてみると朝食にみそ汁を食べた児童は14%(101名)しかいませんでした。朝食の喫食率を上げることも大切ですが、その内容にも目を向けなければなりません。そこで、「早寝・早起き・朝みそ汁」をスローガンにし、給食だよりにコーナーを設けるなど、一年間みそ汁に特化した食育を進めてきました。

チャレンジ The みそ汁

みそ汁作りを夏休みの課題にしました。「1年生から4年生は、おうちの人と買い物に行ったり、野菜を切ったりする手伝いなど、自分にできることをしましょう。5年生と6年生は、家庭科で学習したことを生かして、みそ汁作りにチャレンジしましょう」というものです。完成した写真を貼り、使った食材、児童の感想と保護者の感想を書いてもらいます。
これは、想像以上の反響がありました。初めて包丁を持った児童や、鰹節を削ってだしを取った児童、地元でとれる旬の食材を使った児童などを、家族が見守りながらのみそ汁作りは、ハラハラドキドキのなか、よい食育になったという感想を多くいただきました。「みそ汁を作ったことがありますか」という調査があれば、100%の児童が自信をもって「ある」と答えることができるでしょう。

親子料理教室とみそ汁ミーティング

学期末の個別懇談会の日に毎年「親子料理教室~親子で簡単朝食作り~」を開催しています。献立はご飯と5年生が作ったみそを使ったみそ汁、簡単な常備菜です。今年度はみそを牛乳で溶いて入れ、まろやかさと減塩をねらったみそ汁を作りました。また学校保健委員会では、調理員さんの協力のもと、参加者全員で5年生の手作りみそを使ったみそ汁を飲みながら講演を聴き、成長期の子供たちの健康について話し合いました。

経験を自信に変えて

一年を通じて啓発した結果、2月に実施した調査では、朝食にみそ汁を食べた児童21%(143名)になりました。なかなかすぐには大きな効果は現れませんが、親子で調理をする機会を課題という形で設けたことは大きな成果であったと感じています。体験活動を通して食に関する経験を積み、それを自信に変えていく子供たちの成長をこれからも見守っていきたいと思っています。

ページの上へ