第88回「心に残る、舌に残る給食を目指して」

秋田県大仙市西部学校給食センター 主任学校栄養士・藤澤一子

学校給食は「生きた教材」として、まずは「衛生」に配慮し、それから「味」を工夫する等、様々な側面が求められます。そんな中でも、「美味しくなくては教材として活かせない」と考え、思い描く給食を提供するために何ができるのかと、毎日、試行錯誤しています。

刺激を受けたプロの技と講演

昨年、和食給食応援団の研修会で、日本料理人の若い料理人から講演と調理実演をしていただく機会に恵まれました。「だし」の種類と引き方、魚介類の生臭みをとる下処理の仕方、「浸し地」を活かしたお浸し等、やり方によってこれほど仕上がりが異なるのかと、衝撃的な実演ばかりでした。
講話は「だしの引き方に正解はなく、それぞれの施設で違う。セオリーから外れても、美味しければそれが正解であり、それが施設に合ったやり方である」、「一度ゼロにして再検証し、そこから正解を出す」、「出来ることを増やしていけばよい」、「店は美味しくないと客は来なくなるが、給食では常に子ども達がいる」といった深い内容で、一言一言が心に響くものばかりでした。これまで「大量調理だから」、「時間経過があるから」と、いかに出来ない理由を並べていたかを、改めて思い知らされた研修会でした。

思いが伝わった取り組み

最近では、煮干しや鰹節、だし昆布できちんと「だし」を引いて料理をする家庭は少なくなっています。だからこそ、給食では本物の味を知ってほしい、味わってほしいという思いが強く、出来ることから一つずつ取り組んできました。
所属中学校3年生の給食人気ランキングの「汁もの部門」で、「すまし汁」が第一位となったのを聞いたときは、少し大げさですが、子ども達にちゃんと伝わっていたという達成感のような嬉しさを感じたのを覚えています。

先生からのうれしいお言葉

先日、受配校の先生に「心が感じられる給食」と言っていただきました。これまで、「互いの思いが伝わる給食」を第一に考えて取り組んできたので、何よりもうれしいお言葉でした。子ども達の心に残る、そして舌に残る給食になるよう、これからも出来ることを増やしていきたいと思います。

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