「保育所における食育に関する調査」から<Part2>

「早寝、早起き」が食育の基本
自律起床では“遅寝”の子どもと大きな差

午後7時30分から9時までに就寝する子ども(以下「早寝」)と、9時から11時以降に就寝する子ども(以下「遅寝」)では、クロス集計の結果、起床する時間や自律起床(自分で起きる子ども)の割合に、大きな差が見られました。
前回に続いて、社会福祉法人日本保育協会の「保育所における食育に関する調査研究」(平成20年度)から、結果の一部を抜粋して紹介します。学校での食育・指導のために、就学以前の子どもたちの食をめぐる生活実態を把握する、手立てとなるでしょう。

  1. 早寝ほど早起き、自律起床
  2. 早寝は排便リズムも良い影響
  3. 早寝の4割が家族そろって朝食
  4. 【考察】早寝・早起きの効用

早寝ほど早起き、自律起床

就寝時間と起床時間との関連のグラフ

就寝時間と起床時間との関係をみると、早寝の子どもは朝6時前の起床が11.5%、6時30分までの起床が35.9%に対して、遅寝の子どもは6時前起床は1.3%、6時30分が13.4%でした。早寝の子どもの半数近くが6時30分までには起きているのに比べ、遅寝では15%ほどの子どもしか起きられないという結果です。 逆に7時以降の起床は、早寝の子どもが16.8%だったのに対して、遅寝の子どもでは44.5%で半数近くにのぼりました。

さらに早寝の子どもの58.4%は自律起床できていますが、遅寝では35.5%でした。逆に起こされることが多いのは、早寝の子どもの34.9%に対して、遅寝の子どもは55.1%にのぼりました。

早寝は排便リズムも良い影響

排便の時間は起床後、朝食後など、朝の時間帯が望ましいと言われます。就寝時間と排便のタイミングの関係をみると、早寝の子どもは8.7%が起床後、34.9%が朝食後で、4割以上が排便を朝に済ませています。一方、遅寝の子どもは、起床後が5.6%、朝食後が20.5%で3割に満たないことがわかりました。

早寝の4割が家族そろって朝食

就寝時間とだれと朝食を食べるかの関連のグラフ

だれと朝食を食べているのかを就寝時間との関係でみると、家族全員で食べているのは早寝の子どもの39.2%、遅寝では27.0%でした。子ども達だけで食べるのは遅寝で9.3%、早寝で8.1%。一人で食べるのは遅寝で2.9%、早寝で1.4%でした。子ども達だけ、一人だけの朝食では早寝、遅寝で大きな差はみられませんが、明らかに早寝の子どもほど家族全員で朝食を食べていることがわかりました。

主食と食事の内容については前回のレポートで掲載していますが、就寝時間との関係に大きな差はみられませんでした。

【考察】早寝・早起きの効用

早寝早起きは、健全なライフスタイルとして、各地の食育活動で取り上げ成果をあげている。今回の調査結果から見ると、早寝の子どもは早起きしていることが明らかになった。
また、早寝する子は、自律起床する割合が58.4%(「家族に起こされることが多い」では35.5%)と高いことが分かった。早寝の子どもは「朝食を家族全員ととる」が39.2%(遅寝の子どもは27.0%)と多い。遅寝の習慣の子どもでは、孤食や子どもだけで食べる割合が多いなど、遅寝は生活リズムの乱れから、家族そろっての食事の妨げとなっている。また、夕食の共食状況をみても、早寝の子は52.6%(遅寝の子どもは43.2%)が家族の一部と食事をとるなど、早寝は家族団らん、家族のきずなを深めるうえでも大切であることがわかる。
加えて、早寝する子どもの生活をみると、保育園からの帰宅時間をはじめ、一日全体の生活リズム、行動パターンが遅寝の子どもに比べ、相対的に早い傾向がみられた。このように、早寝早起きの生活習慣は子どもの生活の規律性、行動の積極性、家族間のコミュニケーションも深まり、家族のきずなも高まるなどの影響がうかがわれた。

藤沢良知・武蔵丘短期大学学長

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