めかぶと免疫力
秋冬はインフルエンザシーズン
毎年秋から冬にかけては、インフルエンザの流行シーズンです。インフルエンザはインフルエンザウイルスによる呼吸器感染症で、通常のかぜに比べ全身症状が強く出やすいことが特徴です。
インフルエンザ患者数の割合は成人よりも児童が高い
インフルエンザ感染患者に占める児童の割合は高く(図1)、インフルエンザの流行シーズンである秋から冬にかけては、臨時休業を行う幼稚園、小学校、中学校の数も増加します(図2)。
インフルエンザを予防するためには、手洗い・うがいにより物理的にウイルスを除去するほかに、体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけることが大切です。
図1 年齢階級別患者報告割合の推移
(2010~2020年)
※インフルエンザの流行時期に合わせ、毎年、第36週(8月末~9月初旬)から翌年の第35週までの1年間をインフルエンザシーズンとする。2019-2020年シーズンは2019年9月2日から2020年8月30日まで。
図2 都内学校等におけるインフルエンザ様疾患による臨時休業の状況
※2019年9月2日(第36週)以降に、インフルエンザ様疾患による臨時休業を行い、保健所に報告のあった施設数。
出典:東京都感染症情報センターより改変
めかぶのネバネバ成分「フコイダン」
わかめの根元に存在する「めかぶ」は、わかめの子供である「胞子」が育つ大切な場所です(図3)。このメカブには粘り成分である「フコイダン」が豊富に含まれ、大切な子供を外敵からまもっています。フコイダンは海藻の中でもめかぶ 、コンブやもずくなどの褐藻類に含まれる食物繊維です。
これまでの研究報告から、フコイダンには体の免疫機能を高める働きがあることがわかってきました。
図3 わかめのめかぶ
めかぶのフコイダンの免疫に対する働き
めかぶのフコイダンには、インフルエンザウイルスに対する抗体を体が沢山つくることを助ける働きがあることが報告されています。
研究報告
出典:J Nutr (2013) 143, 1794-1798
試験に参加したヒト
高齢者男女70名
試験内容
参加者の半分の方にはめかぶのフコイダン(300mg)を含む顆粒を、残り半分の方にはめかぶのフコイダンを含まない顆粒を9週間にわたり毎日摂取してもらいました。
摂取し始めてから4週間後に、インフルエンザワクチン接種をしてもらいました。
めかぶのフコイダンを摂取する前と摂取してから9週間後に採血し、血液中のインフルエンザウイルス(H1N1型、H3N2型、B型の3種類)に対する抗体の量を測定しました。
めかぶのフコイダンを摂取していた参加者は、インフルエンザウイルスに対する抗体がより多く産生されていることがわかりました。
※食生活は主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
めかぶとたまごのスープ
●材料(1人分)
乾燥めかぶ | 0.6g |
卵 | 8.0g |
たけのこ | 8.0g |
しいたけ | 5.0g |
にんじん | 4.0g |
あさつき | 2.0g |
A水 | 150g |
A顆粒かつおだし | 0.4g |
A顆粒こんぶだし | 0.4g |
A酒 | 1.5g |
薄口しょうゆ | 1.0g |
塩 | 0.5g |
B片栗粉 | 1.0g |
B水 | 2.0g |
作り方
- 1たけのこ、にんじんは細切りにし、しいたけはスライスする。
- 2あさつきは小口切りにする。
- 3乾燥めかぶは水で戻しておく。
- 4鍋にAを入れて加熱する。沸騰したら、1を加えて煮る。材料がやわらかくなったら、薄口しょうゆ・塩で味付けし、Bを加えてとろみをつける。
- 5卵は溶きほぐし、3と混ぜ合わせ、4のスープに流し入れる。最後に2を入れる。
エネルギー | 27kcal | 炭水化物 | 2.9g |
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たんぱく質 | 1.8g | 食物繊維 | 0.8g |
脂質 | 0.9g | 食塩相当量 | 0.7g |
(1人分)