栄養士コラム

第104回「チームで取り組む食育の推進をめざして」

山根直美

広島県安芸郡府中町立府中中央小学校栄養教諭

山根直美

「食育の授業は、わくわくするね!」こんな子供たちの声を聞くと、こちらも「よし!がんばろう!」という気持ちになります。この声に支えられ、本校での食育の推進は、年間計画に沿って、様々な学習の機会を通して行っています。

食育は学校内外との連携体制で推進

学校で食育を推進していくためには、家庭・地域との連携は欠かせません。そこで、学校での食育の取組を各家庭や地域に発信し、お互いに連携・協力しながら取組を進めています。校内では、健康安全部が中心となって学校給食を生きた教材としながら、食に関する指導の具体的な提案を行っています。また、他の指導部とも指導内容や実践内容についての共通理解を図り、学校全体としての取組となるようにしています。

担任みんなでアイデア出しの楽しい時間

本校での主な取組として、食育参観日の実施、毎月1回の食事マナーウィーク、年間を通した教科等における食に関する指導があります。
中でも、教科における食に関する指導は、各学年の先生方から、「この学習内容は食育につながるよ。」という声があがると、みんなで教科書を片手に、いろいろな教材を探し出します。みんなで額を寄せ合って指導案のアイデアを出し合う時間は最高に楽しい時間になります。1つの指導案であっても、4クラスあればそれぞれ違う子供たちの反応が待っています。いつの間にこんな準備をしたのかなと思う教材を提示しながら、子供達から実感した思い思いの言葉を引き出す先生方の指導方法に学ばせてもらうことがたくさんあります。

学年を超えて地場産物の情報収集

最近では、国語科「海のいのち」で、夏休みにかけて6学年の先生方と、毎日指導案検討をしたり、教材を集めるのに漁師さんに取材をしたり、みんなで実寸大の「クエ」を作ったりと、まるでクラブ活動のように授業の準備をしました。また、社会科では、広島県産のレモンを求めて、学年・学校を超えてレモンの加工品や苗木を探していただきました。苦労して作成した教材に子供達もわくわくしながら授業に臨むことができました。
学校での食育は、まさにチームで行うものだと思います。校長先生のリーダーシップのもと、それぞれの個性を生かして食育に携わることができるのは職場環境に恵まれているからにほかありません。
多くの方々に支えられて、日々感動し、新たな発見ができることに感謝の気持ちでいっぱいです。これからも、おいしい給食を通して、子供達にわくわくしながら楽しく学べる食育の時間が届けられるよう努力していきたいと思います。