栄養士コラム

第121回「子どもたちの『おいしいよ!』の声が聞きたい」

熊野由佳子

埼玉県草加市立西町小学校 栄養教諭

今井ゆかり

2月の最後の金曜日に、「3月から学校が休みになる。給食も、もちろん中止です」と知らされて大慌てで食材をキャンセル。バタバタと終わったあの日から2か月半が過ぎました。

再開の見通し、いまだたたず

依然として、今後どうなるか、この原稿を書いている今現在、はっきりとした見通しがついていません。
3月には、「卒業生に、いつも行っている『卒業会食』を行ってあげられなかったなあ」とか、子どもたちから「給食が食べられなくて残念です」、「きゅうしょくたべたいよー」等のお手紙をもらって「3月の最後の『おたのしみ給食』で子どもたちが楽しみにしていた『ケーキセレクト』ができなかった」等と考えていました。
今、思えば、<4月からは正常に戻り、給食も普通に提供することが出来る>と漠然と考えていたのです。

気になる子どもたちの食事内容

ところが、4月7日に緊急事態宣言が発令され、学校の休校も延長されました。私達、学校の職員も交代で在宅勤務を余儀なくされることになりました。給食を子どもたちに食べてもらえない期間が長くなました。保護者の方も買い物も回数を少なくしたり外出を控える必要が出てきたし、子どもたちの食事内容が心配になってきたりもしています。こんなに長い間、給食を作らないことは今まで経験がありません。

一番大切なのは平凡な日常

今は、早く給食が作りたいです。教室を回ってパクパクと嬉しそうに給食を食べている子どもたちに『おいしい?』と聞いて、『おいしいよ!』という声を聞きたいです。よく言われる言葉ですが、平凡な日常が幸せで、一番大事なことですね。