栄養士コラム

第125回「子どもたちのニコニコといっしょに」

熊野由佳子

山口県山口市立宮野小学校 栄養教諭

宮﨑紀子

今年は、8月中旬から2学期が始まり、給食も実施される学校が多かったのではないでしょうか。新しい生活様式の中での学校生活に、子どもたちも徐々に慣れてきています。 子どもたちは、今は食べるときも無言で前を向いて食べています。なぜこのようにしなければいけないのかということも、先生方の指導でとてもよく理解できており、スムーズな給食時間を過ごすことができています。

しっかり子どもたちをみる「給食訪問」

宮野小学校では、例年栄養教諭が給食時間に各学級で子どもたちと一緒に給食を食べる「給食訪問」が行われていました。今年度はこのような状況ですから、この「給食訪問」はどうしたものだろうかと、少し心配していました。ですが、管理職と相談し、今年度も実施することになりました。
おかげで、1学期のうちに、全ての学級で子どもたちと一緒に給食を食べることができました。そして、少しだけお話もさせてもらいました。新しい生活様式で少し窮屈ですが、子どもたちの様子を、しっかりと見ることができたとても良い機会でした。

訪問を子どもたちも歓迎

この「給食訪問」が終わったある日、私が、職員室から給食室に行く途中に1年生の教室の前を通った時、一人の子どもが、「先生、今日は何年何組で給食を食べるの?」ときらきらした目でニコニコして聞いてきました。
自分たちの教室で一緒に食べてほしいという気持ちか、私がお兄さんお姉さんの教室に行くのがうらやましいのか、ただ単に私に興味があるのか・・・思いはいろいろでしょう。 
また別の日に、6年生の子が、「給食時間に今度、いつ6年生の教室に来てくれますか」とはずかしそうに聞いてきました。いつもとは違う人と一緒に食べるこのちょっとしたことがうれしいのでは、と感じました。そして、私もとてもうれしい気持ちでいっぱいになりました。

マスクだからこそ「ニコニコの目」

給食時間に教室を回っているとき、私はできるだけ、目を大きく開けて、明るく、元気よく子どもたちや教室の中を「ニコニコの目」で見るようにしています。マスクをした顔なので、目でいろいろなことを伝えたいと思っているからです。
私たちの学校生活が以前のようになる日は、まだまだ先のようです。マスクをつけて暑い夏を一生懸命のりきっている子どもたちです。これからも「ニコニコの目」で「子どもたちのニコニコ」といっしょに過ごしていきたいと感じている毎日です。