栄養士コラム

第134回「これからの食に関する指導」

小神野あや子

茨城県土浦市立神立小学校 栄養教諭

小神野あや子

土浦市は11,000食を市内25校に提供する大規模センター方式を採っています。栄養教諭は基準通り3名が配置されており、自分の所属する小学校以外の小中学校にも食に関する指導として特別活動の時間に授業を実施しています。その時間数は、毎年約90時間にもなります。

直接「食」を指導できるやりがい

先日、食育の授業が終わった直後に、「食育の授業、楽しかった。楽しい時間はあっという間に終わっちゃう」とつぶやく子どもの声が聞こえてきました。子ども達と一緒に授業をしていると毎回新たな発見があり、もっとこうすれば良かった、ああ言えば良かったと反省することがたくさんあります。栄養教諭になり、教育として「食」を直接子ども達に教えることができることは、やりがいの一つです。

短時間でも話し合い活動を

昨年度はコロナ禍による学校一斉休業に伴い学校給食も中止となりました。給食の対応でバタバタする中、「食に関する授業は、できるのか?できたとしても話し合い活動はどのようにしたらいいのか?」と不安だらけでした。
6月から学校が再開され、学習が順調に進んだ10月から栄養教諭による食に関する授業を再開しました。学校側もすんなり受け入れてくれ、予定通り市内の全校1年生から6年生まで全クラスの授業をほぼ無事に終えることができました。話し合い活動も短時間なら大丈夫とのことで、グループ内で話し合い、自己決定するといういつもの流れで授業を実施することができました。

情報化時代の食育のため自己研鑽

今年度は6月から各学校で食に関する授業を実施予定です。また、今年度から学校のICT環境が整備され、一人一台のタブレットでの授業が開始されました。今後、食に関する授業でも、ICTを取り入れた教材作成やそれに見合った指導案の見直しを図っていきたいと考えています。
受配校の給食時間の訪問がコロナ禍のために中止になっているので、まずはICTを活用したワンポイントの給食指導動画を作成し、今後、市内一斉に配信する予定です。
情報担当の先生が、「学校のICTが進むと3年後は、今までと全く違う世界になります」とおっしゃっていました。栄養教諭も、情報化の波に乗り遅れることなく、 ICTを活用した新しい食育の授業が展開できるように自己研鑽に励んでいきたいと思います。