栄養士コラム

第141回「おススメしたい給食時間の教室巡回」

小野寺由希恵

北海道札幌市立中央小学校 栄養教諭

小野寺由希恵

札幌市の学校給食は単独校方式、または親子給食方式です。学校に給食施設があり、その学校のみ、又は、近隣の学校と自校の2校分の給食を作っています。栄養教諭・学校栄養士は給食室のある学校に所属し、給食の提供と食指導を行っています。

まず栄養教諭の存在をアピール

私が現在所属する札幌市立中央小学校は、建て替えにより2021年度から給食室がスタートし、同時に私も着任しました。
今までは給食室がない小学校だったため、栄養教諭がずっと同じ学校にいることはありませんでした。そこで子ども達には栄養教諭の存在をアピールし、具体的には、困ったことがあればいつでも来てくれる・担任の先生とは違う栄養の先生がそばにいるという事をわかってもらおうと思いました。

春は1年生の学級に重点

顔と名前を覚えてもらい、児童の顔を覚えるのは、やはり、給食時間に毎日、全学級をまわることです。コロナ禍なので食べ始めると会話はできなくなってしまいます。給食準備時間に、盛り付けの方法やその日の献立や朝ごはんの話など、たくさんの話題をなるべく多くの児童に話しかけています。
でも本校は児童数約800人で25学級あり、給食準備時間には1~2学年しか訪問できません。残りの学年と支援学級は給食時間になってしまうので、遠く離れたところから質問に受け答えしたり、1人ひとりの食べる様子や気になる児童(偏食や体調不良・食物アレルギーを持っている等)を観察したりしています。
4月~6月は特に1年生を重点的に、配膳のお手伝いをしながら児童と会話することを心がけています。また登校時間にはなるべく玄関に立つようにし、1人ひとりの顔を見ながらあいさつし、行動を観察したりもしています。(最近は、残念ながら職員室の欠席連絡等で玄関に行けないことが多くなってきましたが)

児童や担任との関係づくりにも良好

このような毎日の教室巡回により、どの児童からも気軽に声をかけてもらう関係を作ることで、担任の先生との関係も良くなったと思います。また授業の時も児童の名前を呼ぶことができ、指導もさらに浸透すると思います。栄養教諭の仕事はとても忙しく、なかなか時間がとれないと思いますが、まだ実践されていない方がいらっしゃいましたらおススメです。