栄養士コラム

第146回「念願の学校給食日本一となって」

保立貴博

茨城県ひたちなか市立美乃浜学園 栄養教諭

保立貴博

本校は、昨年4月に2つの中学校と3つの小学校が統合して新設された小中一貫の義務教育学校で、自校給食方式を採用しています。この度、昨年12月に行われた「第16回 全国学校給食甲子園」(主催:認定NPO法人二十一世紀構想研究会)において、応募数1,355点の中から4度の審査を経て本校が日本一に選ばれ、優勝を飾ることができました。

日本一への挑戦と成果

私自身、6度目の挑戦で、これまではすべて一次の書類審査も通らなかったので、この度初めて決勝大会への出場、そして優勝まですることができ驚きと嬉しさでいっぱいです。諦めずに挑戦し続けてよかったと心から思いました。また、茨城県勢としても16年目の挑戦で初優勝を飾ることができ、昨年4月に開校したばかりの本校においても、歴史に残る結果を出すことができたいへん光栄に思っています。 今回の優勝献立も含めて、日頃、給食を食べてくれている子どもたちから「いつも給食ありがとうございます」「好き嫌いはあるけど、残さず食べることができました」などの言葉をもらい、自分が関わった仕事の成果が感じられ、大きなやりがいになっています。

茨城県のよさや栄養教諭の取組を全国へアピール

今回の受賞により、全国の皆様に茨城県を注目していただけたことで、全国上位の水産県と農業県でおいしい食材が豊富にあることを更にアピールする機会にもなりました。また、本校の子どもたちも日頃はそのよさに気付かず、生活しているように感じています。優勝献立を通して、子どもたちが郷土理解を深めるきっかけにもつながりました。 今回、私自身が取組で意識したことは伝えたいことの「アピール」です。平成17年度から始まった栄養教諭制度ですが、まだまだ職務内容等が周囲へ十分に知られていない職種だと感じています。日頃、私たちが行っている献立作成や食育の取組を、周囲へもっとアピールをすることで相手には新鮮に映ることもあると思います。

ICT活用の必要性を痛感

同時開催された「食育授業コンテスト」は、今回はICTを活用しオンラインで行われました。私自身、オンライン授業は初めてで、機器の接続や教材の作り方など分からないことが多く、画面越しの指導は非常に緊張しました。そこでは、単なる地場産物の紹介ではなく「食育の視点」を踏まえ、子どもたちに何を身に付けさせたいのかを考える指導が大切だと学びました。このように、私たち栄養教諭にもICTの活用が求められています。他の先生方と同じように、活用方法を学んでいかなければならないことを改めて痛感しました。 最後になりますが、今回の表彰を大きな励みにし、今後も「自分への挑戦」の気持ちを忘れずなお一層の研鑽を重ね精進してまいります。