栄養士コラム

第148回「子ども達を笑顔にする学校給食をめざして」

川田孝子

佐賀県白石町立白石中学校 栄養教諭

川田孝子

令和3年4月より白石町立白石中学校に勤務。白石町学校給食センタ-では、1060食(小学校4校、中学校2校)を提供しています。昨年度の第16回全国学校給食甲子園で準優勝・食育授業コンテスト食育授業精励賞を受賞しました。また令和元年度文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞しました。令和6年度は新学校給食センタ-開設、新中学校の開校が予定されています。

自分の存在をPR

昨年度、白石中学校に赴任し、所属校を含め受配する学校の子ども達や先生方に栄養教諭の存在を知ってもらうために、給食時間は積極的にクラスを訪問しています。そのおかげで、先生方に周知ができ、いろいろな相談等も受けています。
コロナ禍で机は前向き、おしゃべりはしないで食べる状態が続いていますが、子ども達は給食の準備前や食事後、私によく声をかけてくれます。昨年度は全国学校給食甲子園で準優勝したのをきっかけに、新聞やテレビ等で多く取り上げてもらいました。現在も各方面から取材や執筆依頼があり、日常業務と並行し研鑽を積んでいます。また今年度より、毎月発行する「食育だより」を地域へ回覧し、読んでもらっています。白石中学校のHPでは、毎日の「今日の給食」をメッセ-ジつきで掲載し情報発信を行っています。

子どもの頃の苦手な給食経験を生かして

私は小学校低学年の頃、好き嫌いも多く、給食を遅くまで食べていて苦手でした。その経験を活かし、楽しい給食になるように、いろいろな工夫をしながら給食指導や献立作成等を行っています。特に「生きた教材」と言われる「給食」の献立作成には、自分の思いを込め、調理員さんとともに安全・安心・おいしい・魅力ある給食になるように作っています。

子ども達の心に届く給食づくり

白石町は、米の他にいちご、れんこん、たまねぎ、テンペ、最近ではとうもろこしも有名です。佐賀県においても、米、麦、大豆、のり、アスパラ、いちご、みかんなど全国に誇れる産物がたくさんあります。
この恵まれた地場産物を生かした給食を心がけ、白石の特産物や郷土料理を取り入れた「しろいし食の日」、かむことを重視した「かむ献立」、白石町内の小・中学校の校長先生の「リクエスト給食」などを実施。日々、「生きた教材」である献立の研究をしています。
また、私が東京オリンピックの聖火ランナ-を務めたことで、オリンピック・パラリンピックを身近に感じ世界の食文化に触れてほしいと昨年度からはじめた「オリ・パラ給食」は子ども達に大好評でした。現在も「世界の味めぐり」として継続しています。日本にいて世界各国の料理を食べることができるので、「世界の味めぐり」の日を子ども達は心待ちにしています。

「おいしかったよ」の言葉で幸せに

このように、「生きた教材」である献立の研究をしながら、日々、子ども達の食への興味・関心を高める工夫をしています。給食を食べている子ども達から「おいしかったよ」「また作ってください」「作り方を教えてください」とか、卒業した子ども達や以前勤務した学校の子ども達から、「また先生の給食を食べたい」など言ってもらえることが栄養教諭として一番の幸せです。日々、子ども達のことを考えながら、「子ども達を笑顔にする給食」をめざし、これからも頑張っていきたいと思います。