栄養士コラム

第153回「大分県で第63回研究大会、1450人が参加し無事終了」

阿南早都己

大分県大分市立南大分小学校 栄養教諭

阿南早都己

令和4年8月4・5日に大分県大分市において、「第63回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」が開催されました。Withコロナの中で県教委も参集型の開催に向けて検討を重ねていましたが、オンラインでの開催となりました。1450名という多くの方にご参加いただき、実りある大会となりました。

アイデア出し合ったレシピ集や記念グッズ作成

この大会に先駆けて、栄養教諭・学校栄養職員等で組織する大分県学校栄養士研究会では、既存組織の常任委員会とは別に大会の準備委員会を立ち上げました。大会運営の主導は県教委の方で行うため、準備委員会ではまず記念品について検討しました。
県で取り組んでいる『減塩』や野菜を多く摂れる給食レシピ集の作成と、記念グッズの選定に皆でアイデアを出し合いました。レシピは各調理場で実際に提供しているものを集めましたが、種類や分量の精査や表記の統一にかなりの時間を要しました。県産食材を使ったものや郷土料理等も掲載されていますので、みなさんに活用していただけるとうれしいです。グッズの方は、マスキングテープには本県会員が描いたオリジナルイラストを入れて作成しました。給食ならではの可愛い絵柄で、こちらも多くの皆さんにご好評いただいています。

問われた栄養教諭の存在意義

大会においては、文科省説明や鈴木志保子講師による基調講演でも、栄養教諭の存在意義が問われていることを改めて痛感しました。求められる栄養教諭となるために何をすべきか、自分自身を振り返ると、個別指導を含めPDCAサイクルに沿った指導、ICT活用等々課題はたくさんあります。できることを探り取り組んでいきたいと思います。

子どもの心に響く日々の取組を

さて、私の勤務校は食数880食の自校方式の小学校です。食に関する指導は全体計画に沿って行っていますが、すぐに結果が表れにくく難しさも感じます。そんな中で、担任が見せてくれたある子の日記には、「ごまの粒々が苦手だったけど、調理員さんが一生懸命作ってくれた大学芋を食べてみたらおいしかった」と書いていました。また、とても少食の子が「がんばってみよう!」と奮起し、ほぼ毎日私に完食を報告に来てくれたりもします。日々の取組が1人でも多くの子どもの心に響き、行動変容に繋がる姿を見るのは栄養教諭冥利につきます。子どもたちの笑顔と健康な未来のために、他の教職員とのコミュニケーションを大切にしながら、これからも一歩ずつ進んでいきたいと思います。