第161回「地元食材〝なまず〟が毎月給食に登場」
和歌山県新宮市立三輪崎小学校 栄養教諭
真砂美紀
みなさんは、7月2日「なまずの日」って知ってますか?埼玉県吉川市ではこの日の給食に、工夫を凝らしたなまずを使ったメニューが出されているそうです。海外のなまずを使っていたこともあるそうですが、昨年から新宮市で養殖しているなまずを使っているとのことで、今年の「なまずの日」に吉川市の給食センターと新宮市の本校を結んだオンライン会議が実現しました。
地元の食材をより身近に
埼玉県吉川市はなまずの里ということ、7月2日がなまずの日ということ、新宮市のなまずを給食に取り入れていることをはじめて知り、吉川市のホームページを見てみました。立派ななまずのオブジェにびっくりしました。また、給食センターのページをみるとピンクのなまずちゃんが出迎えてくれました。残念ながら、新宮市ではなまずがそれほど身近ではありません。こちらでは農地が狭く、地元の野菜を給食でどんどん使える状態ではありません。日頃から地元でとれた食材を使いたい、米、野菜、魚、肉などを使うことで、生産者、地域を知ることができる、新鮮な物を使えると思っていました。 例えば私の家は米農家です。総合の時間に、米作りのことを5年生に話をします。次に家庭科でごはんとみそ汁の勉強のときに、米の標本を作ったり、給食の米は地元の米を使っていますが、「私の家で作った米かもしれませんね」という話をします。子どもたちは、楽しみにしてくれます。
知られていない養殖池
地元のなまずを知って欲しいのですが、校区内に養殖池があることを知らない人が多かったうえ、一般の店で販売もされていませんでした。 私となまずとの出会いは7年前です。当時の新宮港埠頭株式会社の社長さんが「地元で養殖されている『おいしいなまず』を子どもたちに食べさせたい」と来校されたのがきっかけでした。実際になまずの養殖場を見学して、保護者の試食会、市内栄養士の献立研究等を経て給食に登場することになりました。
はじめは心配顔の子も
それ以来、現在は3か所目の職場ですが、今の校区内になまずの養職場があります。日頃から、給食には地元の食材をなるべく使いたいと思っていたところなので、養殖場が校区内にある「なまず」は毎月給食に登場しています。中でも一番人気は「なまずのフライ」です。なまずを食べたことがない児童生徒がほとんどだったので、はじめは心配そうな顔の子どももいましたが、今では、おかわりする子どももたくさんいます。地元の食材を大事にして、安全・安心・おいしい給食を提供していきたいと思っています。