栄養士コラム

第171回 「年200回の積み重ねを大切に」

渡邊英里

新潟県妙高市立新井中学校 栄養教諭

渡邊英里

生徒が楽しみながら食に関する興味や関心を高めて欲しいと考え、給食の献立名を工夫しています。具体的には「わかめを食べチャイナ(ワカメの中華あえ)」「イカしたカレーライス(シーフードカレーライス)」「3年生ともうすぐおわカレーうどん(卒業が近い頃に)」などです。献立表を配布すると「献立の名前、先生が考えているの?面白い!」「今月は○○ってメニューが秀逸!」等、生徒や職員から声をかけてもらい、うれしく思います。

献立表に願いを込めて

また、行事などにちなんだ献立も好評です。部活動の大会前には、実力を発揮するために適した食事内容の「大会がんばれ献立」、読書週間には給食委員会と図書委員会のコラボ企画「味わう読書」、テスト前には「テストがんばれ!脳力アップ献立」などを実施して、生徒がそれぞれの活動で意欲を高められるように、と願いを込めています。

給食委員会、がんばっています!

給食委員会では、様々な活動を行っています。生徒の自主的な給食活動を目指し、各クラスで目標時間を決めて給食の準備~後片付けを行う「食欲満たすはこの時ぞ!キャンペーン」、教職員の手を借りず、声がけもされずに給食の準備を促す「みんなで準備できるもん!キャンペーン」などです。目標に達したクラスから牛乳に混ぜる「コーヒーの素」をプレゼントするなど、楽しく、意欲的に参加してもらえるようにと、生徒が考えながら実施しています。

学校名物「給食川柳」

1月の全国学校給食週間には、給食への感謝の気持ちを伝えることがねらいの「給食川柳・給食都都逸(どどいつ)」の募集や入賞作品の選定、3年生へのリクエスト給食の募集「これを食べなきゃ卒業できま10(テン)!」の実施など、生徒のアイデアを生かした活動は学校の名物企画になっています。

<これまでの給食川柳・給食都都逸入賞作品>
・テストより もらってうれしい 献立表
・給食後 残ったものは 笑顔だけ
・体育の後 牛乳冷えてりゃ うれしいな
・「あと少し」 なんて長いの 4時間目
・給食の中 目に見えずとも 食べたらわかる 愛の味
・給食食べて お腹いっぱい 5・6限もがんばるぞ!

積み重ねを大切に

給食への関心の高まりが、食生活全体に広がり、生涯にわたって食を楽しむことにつなげられたら…と願っています。実際に、献立の工夫や給食委員会の活動などを通して、生徒の給食への興味や関心が高まっていることを感じています。給食は年間約200回の実践の積み重ねができるのだから、様々な視点で生徒に思いを伝えることができます。その可能性を、もっと広げていきたいです。