第176回 学校給食の「今日的役割」に向けスキルの研鑽を

長野県諏訪市立中洲小学校 栄養教諭
金井和恵
長野県の諏訪地域は、小中・特別支援学校45校のうち43校が自校方式で、すべての学校に栄養教諭または学校栄養職員が在籍しています。自校方式のよさを生かし、児童生徒の実態に添った献立作成、食育が可能です。
さまざまな児童・職種の職員が在籍
私が勤務している諏訪市立中洲小学校には児童約600名、教職員約60名が在籍しています。外国籍の児童が多く在籍しており、また医療的ケアが必要な児童も複数在籍しています。そのため、外国語教員や看護支援員など、児童をサポートするさまざまな職種の職員が勤務しています。
これまで経験しなかった調理も担う
現在、本校の給食室は、通常食のほかに食物アレルギー対応食と医療的ケア児のペースト食を調理しています。また宗教食についても「配慮」という形でできる範囲で対応しています。委託先の調理員は、日々細心の注意を払いながら安全でおいしい調理を心がけてくださっています。インクルーシブ教育の浸透により、学校給食がこれまで経験したことのない医療分野での役割も担う時代になってきており、管理栄養士としてのスキルの向上の必要を痛切に感じています。
「個別指導」の間口を広げる必要性も
毎日児童と給食を食べることで、子どもたちの「今」をたくさん感じることができます。最近はコロナ禍で育ってきた低学年の子どもたちの食経験の乏しさを多分に感じます。なんとかして学校給食や食育を通じて補っていかなくてはならない、そんな気持ちにもさせられます。
個別的相談指導の必要性は、特別な事情を抱えた子どもたちだけではないのかもしれない…そんなことを考えながら、児童と毎日ふれあいながら仕事ができることに感謝しています。