第178回 学校給食から広がる食育

長崎県南島原市学校給食センター 栄養教諭
水田静世
令和3年に統合された現在の給食センターでは、調理の作業を見ることができる見学ルームが設置されています。これまでに学校の児童の他にPTAや民生委員など地域の方々が見学にこられました。給食が衛生的につくられ、子どもたちに安心して食べさせることができるとの理解につながっています。授業参観の一環で保護者と児童が一緒に見学することもあり、「給食センタークイズ」「調理員体験」「親子でおはしチャレンジ」などの体験学習を取り入れ、親子で楽しく学べるように工夫しています。
南島原市の特産品「島原手延べそうめん」を取り入れて
子どもたちには、学校給食を通してふるさとの魅力に気づき、ふるさとを愛する心が育ってほしいと思っています。地場産物を使った給食では、市の主な産業である「島原手延べそうめん」を南島原市より提供していただき、毎年7月に「冷やしそうめん」をだしています。そうめんのふしを使った「ふしめん汁」も子どもたちに人気の献立です。
日々の指導の積み重ねを大切に
給食センターと所属校は車で5分くらいの距離です。給食時間には学校へ行き、偏食しがちな児童や、はしの持ち方が苦手な児童へ指導をするようにしています。苦手な食べ物をがんばって食べたり、はしを正しく持って食べようとする姿をみて、子どもたちの成長を直接肌で感じることができます。
児童への学級担任の声のかけ方など学ぶことも多く、児童の食生活の状況や課題等の情報も共有できるので、今後もできるだけ学校へ行き、食に関する指導に関わっていきたいと思います。
子どもたちの笑顔を励みにして
最近、学校で小学1年生女子が「先生、いつも給食をつくってくれてありがとう」と手書きの絵を手渡してくれました。給食週間中に給食センターの様子をみて、自分が食べている給食について関心を持ってくれたようです。とても感激した出来事でした。
いつの時代もキラキラの子どもたち。子どもたちには、将来にわたって健康的な食生活を送ってほしい、また、南島原市のふるさとの良さを実感し、南島原市の食の魅力を発信できるような大人になってほしいと思っています。今後も栄養教諭としての研鑽を積み、子どもたちの成長に関わっていきたいと思います。